自治体におけるパートナーシップ宣誓制度

雑感

一般質問の資料の〆切だったので資料を作った。今回は10ページにおさめた。パートナーシップ宣誓制度を自治体でつくることの意味が深く見えてきた。

制度や要綱をつくればいいというものではない。どういう理解の下で作るのかということが重要だ。まずは性の多様性を把握することが大切になる。性の多様性は、一人一人の課題でもある。社会的に形成されてきた男らしさ、女らしさは、社会から個々人に押し付けられたもので、小さい頃から刷り込まれてきたものだ。この刷り込みと現実の自分との食い違いに苦しんでいる人は、予想以上に多い。自分を見つめ直すことも重要になる。性の多様性は、自分自身の中にある。

男らしさと女らしさは、いわば社会のモラルとして存在してきた。僕たちが10代だったころは、それを押し付けとも感じず、自分には男らしさが足りないとか、女らしくないとかで苦しんできた人がいる。ぼくは、見かけも男らしくなかったし、男が女性を引っ張っていくとか、俺についてこいとか、自分のことを俺とは呼べないとか、「娘さんをぼくに下さい」などという言葉は言えないし、言いたくもなかった。そういう傾向が自分の中にあった。性の多様性は、一人一人の中にあり、押し付けられた社会的なものとは合わない。LGBTQの人々は、深く傷つきながら生きている。

性の多様性を当たり前のこととして受け入れ、ありのままでいいという社会を形成する努力を自治体はしなければならない。そういう点で自治体が果たす役割は大きい。社会制度を作ることによって社会に変化を生み出すきっかけになる。そういう人が現実にいるかどうかが、当面問題なのではない。統計的には10%ほど性的マイノリティの人々はいるといわれている。なかなかカミングアウトできないし、する必要もないが、カミングアウトしても当然のこととして受け入れてくれる社会をつくる必要がある。現実では、性的指向や性自認について、理不尽な態度や仕打ちにあっている人々がいる。男性の姿なのに心が女性の人は、自分を下の名前で呼ばれるのにも苦痛を感じている。災害時、避難場所で本名を名乗らされる苦痛に対して、社会が理解を示し、日常から受け入れる仕組みを作ることが求められる。どういう社会をつくるべきなのか。ここに大きなテーマがある。

この課題で学校が果たすべき役割も大きい。性自認の問題には時間のかかる人がいる。成人になってから生物学的な性から他の性へ移ることを自覚した人もいる。性自認が定まらない人がいることを学校がよく理解して、子どもの時代から対応できる環境をつくることが求められる。日本はこういう努が始まったばかりの国だし、政府自民党は、同性婚をかたくなに拒否しているという障害もある。自治体におけるパートナーシップ宣誓制度が必要なのは、国が法的な対応を拒否しているからに他ならない。
いきなり制度を作れというのではなく、ジェンダー平等を具体的にどう実現していくのかを把握しながら、自治体の考え方を多方面で確立するプロセスが重要になる。この準備の中で制度を作ってほしいという質問になる。


にほんブログ村 地域生活(街) 関西ブログ 和歌山県情報へにほんブログ村 政治ブログへにほんブログ村 哲学・思想ブログ 哲学へにほんブログ村 地域生活(街) 関西ブログへブログランキング・にほんブログ村へ

雑感

Posted by 東芝 弘明